キング牧師は「行きすぎ」ていたか キャンセルカルチャーと呼ぶ前に

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聞き手・高久潤
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 著名人などの過去の差別的な言動が糾弾される風潮を「キャンセルカルチャー」と呼ぶことがあります。時に社会的地位から追われ、その存在を否定(キャンセル)されてしまう。ネット上で起きるこうした現象に批判的な文脈で使われます。実際に「差別はもちろんいけないけれど、そこまでやるのは行きすぎでは」という意見を耳にすることも増えました。この議論をどう考えたらいいのでしょうか。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授の南川文里さんは、「キャンセルカルチャー」という言葉は使わない方がいいと言います。どういうことなのでしょう。

みなみかわ・ふみのり

1973年生まれ。専門は社会学・アメリカ研究。著書に「アメリカ多文化社会論」「未完の多文化主義」など。

 ――過去の差別的な言動を問題視して糾弾する風潮は「キャンセルカルチャー」と呼ばれ、批判されることがあります。過去の発言を今の基準で裁く風潮が加速している。差別は問題だとしても、時にそれは自由な言論を脅かすのではないか、と。どう考えますか。

 「マイノリティーが声を上げることをキャンセルカルチャーと名付け、行きすぎだ、と牽制(けんせい)する風潮があるのが気がかりです。現時点では、『キャンセルカルチャー』と呼ぶことによる悪影響の方が大きいと考えています」

 ――それはなぜですか。

異議申し立て、抑え込む言葉

 「キャンセルカルチャーと呼…

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