女子のノック、無失策に貢献 黒石・マネジャーの福士結菜さん

渡部耕平
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 【青森】長い髪を風になびかせて、強烈なノックを打つ。黒石のマネジャー、福士結菜(ゆうな)さん(2年)。ソフトボールの経験を買われ、1日300球を仲間のために打つ。「このごろはエラーが少なくなってきて、ダブルプレーもとれるようになったんです」。選手たちの成長ぶりを、自分のことのように喜んでいる。

 小中学校ではソフトボール部で活躍した。中学2年で全国大会に出場したが、3年のときは県内の地区大会で敗れた。「いつもは勝てる相手なのに、自分たちの守備のリズムが崩れた。めっちゃ悔しかった」。確実にアウトを重ねていく難しさと大切さを痛感した。

 「守備の大変さを経験しているから、野球なら、苦しい場面の選手の気持ちが分かる」。高校では選手を助ける側に回ろうと、マネジャーを希望した。

 黒石は男子の選手10人と女子のマネジャー7人の、こぢんまりしたチーム。選手一人ひとりを、マネジャーが力を合わせて支えている。実戦に即した練習で感謝されているのが、福士さんのノッカーの役割だ。

 1年目は両手に血まめができた。力いっぱい打っても、ノックバットは「カスッ」と、鈍い音しかしない。打ち方を試行錯誤するうち、腕力だけに頼っていたことが分かった。腰の回転を加えて、バットを水平に振ると、打球の勢いが増した。家では素振りを毎日50本。ノックに適したフォームを体に覚えさせた。

 今年5月、バットの響きが変わった。「パーン!」。球がはじき飛んだ。「自分の理想の音、来たー」。ノックでは、選手がぎりぎり捕れそうな場所を狙い、鋭い球を打ち続けた。選手たちは打球への反応が速くなり、球際にも強くなっていった。

 選手は10人のうち6人が1年生。4月は全体の守備が整うまでに時間がかかった。5月の春の県大会地区予選は、初戦で1―13のコールド負け。だが、ノックの成果は少しずつ見えてきている。6月の練習試合では、無失策で勝つことも増えてきた。

 夏の大会に向けて、選手たちに伝えたい。「一つずつ、落ち着いてアウトを取っていけば、いつか試合の流れが来るはず。黒石は、守備のミスはしません。みんなを100%信頼しています」(渡部耕平)