奨学金には感謝しているけど…返済に抱く不安、半ばあきらめかけた夢

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阿部育子、小林直子
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 【神奈川】横浜市に住む私立大学4年の男性(21)は、企業の採用サイトの「給与」の欄を見るたびに考える。「奨学金の返済額を引いたら、手元に残るのはどれぐらいになるのだろう」。実家から都内の大学に通いながら、就職活動をしている。

 4歳の頃に父が亡くなり、母子家庭で育った。子どものころからラジオが好きで一日中、聴いていた。兄は高校卒業後に就職したが、男性は将来、ラジオの番組づくりに携わるという夢があった。メディアの勉強をするため、奨学金を受けて大学に進学した。

 男性は返済不要の奨学金を給付する国の修学支援制度を活用した。住民税非課税世帯やそれに準じる世帯が対象で2020年度から始まった。ほかにも、給付型や貸与型の奨学金を受けており、4年間で合わせて500万円弱になる見込みだ。奨学金はすべて大学の学費や教材費などに使った。授業の合間に効率よく生活費を稼ごうと、アルバイトも配送業の倉庫整理といった時給の高い、夜勤や力仕事を選んだ。

 「大学で関心のある分野の勉強をすることができた。奨学金の制度には感謝している」と話す。一方で、社会人になれば、貸与型奨学金の約200万円の返済が待っている。ラジオ局など希望するメディア関係の企業の採用試験を受けたが、内定は手にできていない。「就職浪人」も頭をよぎったが、その分、返済が遅れ、大学に残ればさらに学費もかかる。「奨学金を返すには就職しないと」。最近は夢を追うことを半ば諦め、関心のなかった分野の企業も調べ始めている。

 自らの経験から「学費は無償…

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