音楽+朗読+想像力で「平和のバトンを」 ギター奏者の佐藤洋平さん

有料記事核といのちを考える

菊地直己
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 ギターの音色と朗読を組み合わせた絵本づくりを続けているクラシックギター奏者の佐藤洋平さん(36)が8月、原爆の悲惨さを描いたノンフィクションの朗読に合わせて自作の楽曲を演奏するイベントに出演する。佐藤さんは「想像力がふくらむ作品を通じ、平和のバトンをつないでいきたい」と話している。

 玉川大学芸術学部でクラシックギターを専攻した佐藤さんは卒業後、福山雅治さんら多くのミュージシャンのツアーやレコーディングに同行するなど、音楽家としての道を歩んだ。転機は2017年。偶然に参加した小説の朗読会で流れていたBGMを聞き、「音楽をもっと生かせば、物語への理解と想像がより深まるはずだ」と考え、ギターの演奏と朗読を聞きながら読める絵本づくりを始めた。

 子どもが楽しめて、健やかに成長する助けになる作品にしたいと、大学教授のもとを訪ねて発達心理学も学んだ。音楽関係者からは「積み上げてきたキャリアを捨てない方がいい」と忠告も受けたが、ギターと朗読による幼児向けの絵本づくりに没頭した。

 その後も子どもの発達段階に合わせ、言葉遊びや生活習慣を学べるオーディオブックづくりを続けたが、「世界の平和や多様性を訴える作品も手がけたい」と、20年に「イデア 光と影の物語」(SUPER EDITION発行)を出版。音源をダウンロードできるようにし、影絵も組み合わせた。

 障害がある少年をめぐる差別と友情の物語で、死についても扱ったことから、制作の段階では「子どもの絵本で死に触れるのはタブーだ」という指摘も受けたが、あえて重いテーマにこだわった。

絵本づくりから、「ナガサキの郵便配達」で演奏も

 これまでに手がけたのは約6…

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