「彦根城」世界遺産へ推薦書案

藤井匠
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 世界遺産登録を目指す「彦根城」について、滋賀県彦根市は推薦書の素案を作成し、28日付で文化庁に提出した。「江戸時代の統治の仕組みを忠実に反映して築造され、現在までその特徴を良好に伝えている」としている。今年の国内推薦、2024年の登録を目指す。

 文化庁に昨年提出した推薦書素案を修正し、ブラッシュアップした。価値の説明、江戸時代の城郭の代表と位置づける理由、保存管理の在り方をさらに検討し、反映させた。

 素案の要点によると、彦根城の顕著な普遍的価値として、「江戸時代の統治の特徴が反映する近世城郭」を挙げる。

 ①周辺から隔絶した一体的な空間構造②象徴的な形態、に着目した。石垣や水堀などで区画された空間の中に大名と重臣が集住し、政治や儀礼に必要な施設も整備された藩の統治拠点だったと指摘。城郭の形態が城下町や周辺から効果的に見えるように造られ、幕府から権威を与えられた存在の象徴だったとした。

 さらに、当初の形態が維持され、保存されたことに注目。藩主・井伊家が、幕藩体制の仕組みを反映した空間構造と形態を典型的に備える彦根城を造り、維持し続けたと指摘。多くの城郭が失われた中、地域の人々の総意で破壊を免れ、大切に保存されてきたとして、「SDGs」(持続可能な開発目標)の視点も採り入れた。

 和田裕行市長は「世界遺産の暫定リストに記載されて30年。悲願を達成できる内容と考えている」と話している。(藤井匠)