USB紛失「誰が悪いのか、見事なほど曖昧」 若新雄純さん指摘:コメントプラス

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▽USB紛失は「協力会社の委託先の社員」 市の委託業者、説明に誤り(26日配信)

 (https://www.asahi.com/articles/ASQ6V7DLPQ6VPIHB019.html

 兵庫県尼崎市の全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーが一時紛失した問題を伝える記事に、プロデューサーで慶応大特任准教授の若新雄純さんと日本大学危機管理学部教授の福田充さんら3人がコメントしました。

 若新さんは「市の委託会社の協力会社の委託先の社員。誰が悪いのか、見事なほど曖昧(あいまい)だ」と問題の本質を一文でえぐりました。

 福田さんは、こういった下請け、孫請けの関係について「実態を尼崎市が認識していなかったという問題はこれまでも様々な自治体、官庁、企業で発覚してきた問題と全く同じ構造を持っており、相変わらず自治体の業務管理が無責任体制の穴だらけであることを意味している。これは情報セキュリティの面では、機微な情報、機密情報にアクセスできる権限のセキュリティ・クリアランスが業務上で限定されていない、確立されていないという致命的な欠陥を示している」と発注元の自治体を厳しく批判し、「機密情報が下請け、孫請け、ひ孫請けの企業に流出している状態と同じである」と問題視しました。

 続けて「安全保障、感染症などあらゆる危機管理に関する業務に関しても、それに関わる組織にはセキュリティ・クリアランスの制度が不可欠であり、それが確立されていなければ、委託業務の下請け、孫請けの過程において、システムのアクセスはザルになり、そのシステムや情報の監視、流出、破壊は極めて容易になる」とも指摘。「これでは危機管理、安全保障は成立しない。日本社会全体にこのセキュリティ・クリアランスの意識と実践を強化できるか、それは市民一人一人の自由や人権、安全を守ることにつながることを社会全体で肝に銘じなくてはならない」と警鐘を鳴らしました。

「各国を中国式の経済秩序に…」中国の狙いとは

▽G7、NATO首脳会議前に対抗姿勢 中ロ首脳、BRICSで訴えた(25日配信)

 (https://www.asahi.com/articles/ASQ6S7FTNQ6SUHBI01C.html

 ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)の首脳会議が23日にオンライン形式で開かれたことを伝えるこの記事には、学習院大学法学部教授の江藤名保子さんと朝日新聞の吉岡桂子編集委員がコメントしました。

 江藤さんは「G7エルマウ・サミットと29、30日のNATO首脳会議を見据え、先んじて習近平政権がBRICSの連携強化に動いたものでしょう。同様に、6月24日には習近平主席はオンラインで17カ国を招いた『グローバルな発展に関するハイレベル対話』を主宰して経済協力を打ち出し、『新興市場国や発展途上国が協力して国際情勢における代表制と発言力を高めなければならない』と語りました」と習氏の動きや発言を紹介しました。

 さらに「この二つの会議について王毅国務委員兼外相は『グローバル発展イニシアティブ』の一環だと説明しています。これは昨年9月の国連総会で習主席が提起した国際経済ガバナンスの概念です。端的に言えば、SDGsや『発展』という魅力的なキーワードを用いて中国が主導する協力枠組みを拡大し、各国を中国式の経済秩序に取り込んでいくという事です」と中国側の狙いを分析しました。

 続けて「つまり今回のBRICS首脳会談、背景に国際秩序をめぐるつばぜり合いがあります」と解説。「日本においても、参議院の選挙期間中でありながら岸田首相が外遊するのは、G7の結束を明確にする必要が高まっているためです。NATO首脳会議では安全保障問題における認識の共有を強調するでしょう」とした上で、「しかし本来であれば新興国の経済力をも活(い)かす国際秩序が望ましいところ、どこかで潮目が変わる可能性も念頭に置いた繊細なかじ取りが求められています」と注文しました。

 吉岡編集委員は、BRICSでつくる新開発銀行(NDB)に注目しました。「(NDBは)ロシアへの新規の融資を保留しています。ロシアのウクライナ侵攻を受けて3月に発表しました。国際金融機関として、最大のコンプライアンス基準を続けて行くとも述べていました。金融機関として国際市場から資金も調達せねばならず、ロシアの意向だけでは動けないのでしょう」と読み解きました。

 NBDの加盟国がBRICS5カ国から、バングラデシュエジプトアラブ首長国連邦ウルグアイへと初めて拡大が決まったことにも触れ、「NDBは同床異夢を百も承知で設立された銀行です。それぞれが自らの利益を最大限にするために活用する方法を探っています。インドは経済。資金やプロジェクトをできるだけ多く自国に引っ張ってくること。加盟国数が増えれば自らの取り分が減ってしまうので嫌なのかも知れません。新規加盟の増加をもともとの加盟国が抵抗するケースは、アジア開発銀行(ADB)などでもありました。中国についていえば、競争力がある中国企業がプロジェクトを受注できる経済的なメリットもありますが、政治的な狙いが大きい。部分的な連携をわかったうえで『仲間』を増やすことではないでしょうか」と、中国とインドのそれぞれの思惑を探りました。

10代のスポーツ「やらされていた感」

▽10代でスポーツ引退「不幸の始まり」 室伏長官が示す全国大会改革(23日配信)

 (https://www.asahi.com/articles/ASQ6Q335TQ6FUTQP033.html

 勝ち負けだけではないスポーツの魅力とあり方を、識者へのインタビューで考える連載の一本。室伏広治スポーツ庁長官に話を聞いたこの記事には、慶応義塾大学大学院教授の蟹江憲史さんや朝日新聞の大久保真紀編集委員ら4人がコメントしました。

 蟹江さんは「アメリカの少年スポーツでは、『勝つ』チャンスが色々と与えられています。同じスポーツの中でもレベルが細分化され、また、1チームの人数も限られています」と米国の事例を詳しく紹介しました。

 「例えば少年野球では、1チーム12~13人、全員が打席に入り、守備は交代しながら皆が色々なポジションにつく。これが12歳以下では徹底されています。上級者でも初心者でも同じ、全員がレギュラーです。週末には様々なトーナメントが開催されたり、リーグ戦も様々に行われ、競争の中でとにかく優勝するチャンスが多いのです。1、2位に入ればメダルやトロフィーをもらうことが出来ます。勝つことで子どもたちには成功体験が備わり、そのスポーツを好きになっていきます。負けても、他のスポーツや別の機会があって、何らかの成功体験をしやすい環境が整っています。アメリカで野球文化が育っているのはこういうところから来ている、ということを実感しますし、それは野球だけでなく、子どものスポーツ全般に言えることです」と評価。「全国で勝つよりも、たとえ規模は小さくとも、また、レベルが低くても、勝ってトロフィーをもらう経験を増やしていくことが、ずっと大事だと思います。また、そうすることで、他の人の成功を認める習慣も身につくでしょう。中学生ぐらいまでは、チャンピオンが沢山(たくさん)いる方が、社会としても楽しいのではないでしょうか」と訴えました。

 大久保編集委員は「私は小学生のときから、全国大会の出場を目指して水泳をしていました。中学・高校になると、結構、厳しい、追い込む練習を課されるチームに所属しました。インターハイや国体は当然で、日本選手権に出ることをめざし、チームの中には日本代表として国際大会に出場した仲間もいました」と自らの経験を振り返りました。「私自身は恥ずかしながら、自分で考えるというよりは、やらされていた感が強かったように思います」と告白し、室伏長官がインタビューで述べた「中学高校と指導者に管理されていると、自由になる大学では何をやったらいいのか分からなくなる。結果、指示待ち人間になってしまう」という言葉に共感を寄せました。続けて、高校野球の取材で感じたことも記し、「勝利至上主義からの脱却は、子どもや指導者だけでなく、保護者や社会、学校に課せられた大きな宿題だと思います」とコメントしました。

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《7月2日午後7時半から、記者サロン「参院選目前!政治のギモン、プチ鹿島さんと東大教授に聞こう」開催》

 コメントプラスでは、参院選や政治のギモンを語り合う「記者サロン」を、7月2日(土)午後7時半から開催します。ゲストは、ニュースにくわしい時事芸人のプチ鹿島さん、政党政治を長く見つめてきた東大教授の牧原出さん。ともにコメントプラスのコメンテーターで、話題になったコメントの舞台裏も明かします。参加無料。リアルタイム配信で、視聴者から質問も募ります。土曜の夜、ぜひ気軽にご参加ください。お申し込みはこちらのページから(https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11008256別ウインドウで開きます)。