「節税保険」新たな抜け道 払った以上の返戻金も 規制を逆手に?

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柴田秀並
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 「保険を使って税金の支払いを抑えながら、通常よりも多くのお金が戻ってきます」

 中小企業経営者の間でかつてブームとなり、規制が強化された「節税保険」で、こんな売り文句の新たな手法が一部で広がっている。その名も「短期払い済み話法」。金融庁は税務ルールの抜け穴をついた仕組みとみており、実態を調べている。

 使われているのは、法人が契約者として加入する定期保険の一種。経営者が死亡時などに死亡保険金がおりる。

 中小企業にとって経営者の死亡は、事業上の大きなリスクだ。このため以前は、特定の定期保険で保険料の全額が、損金(法人税がかからない経費)扱いとされていた。

 企業がこうした保険の保険料を支払えば、経費が増える分、課税対象となる利益は少なくなる。

 この仕組みを逆手にとった手法が数年前、中小企業で横行。「節税保険」と呼ばれた。

 保険料の支払いで利益を圧縮して課税負担を減らす一方、途中で解約して保険料の多くも「解約返戻金」として取り戻す、というものだ。

 返戻金は受け取った時点で課税される。

 しかし、役員退職金や設備投資などに返戻金を使えば、結果として課税されないと、営業現場ではアピールされる。

 課税をゆがめると問題視した国税庁は2019年2月、保険料の全額を損金とするルールの見直しを表明。各社は関連商品の新規販売が中止に追い込まれ、「バレンタイン・ショック」と呼ばれた。

規制されたはずなのに

 新ルールは、保険期間中に解約した際に支払った保険料に対し、どれくらいの割合の保険料が戻ってくるか(解約返戻率)に応じて、損金に算入できる割合をわけた。

 解約返戻率は商品ごとに異なる。例えば、節税保険でもっとも多かった返戻率70~85%の商品は、損金算入できるのは保険料の4割とした。残る6割は経費と認めず課税対象とした。

 新しい手法は、こうしたルールのもとでも広がる。課税されない損金の保険料の割合は4割としたまま、なるべく高い返戻率を得ようとするのだ。

 カラクリはこうだ…

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