大熊町に戻った男性、こいのぼり掲げた理由 帰還困難区域が一部解除

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編集委員・大月規義
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 東京電力福島第一原発が立地する福島県大熊町で30日、帰還困難区域のうち「特定復興再生拠点」で避難指示が解除された。解除により、約11年ぶりに人が住めるようになった。同拠点での解除は葛尾村に次ぎ2件目、立地地域では初めてとなる。

 対象はJR大野駅や旧役場などがある町の中心部。面積は町の11%だが、住民登録数は5888人(6月27日時点)と58%を占める。東隣には、汚染した土壌を保管する中間貯蔵施設があり、南西部には2019年に先行解除されて役場の新庁舎が立つ地域がある。今回の解除を経ても、町の面積の半分は解除されず帰還困難区域として残る。全域がいつ解除されるかは決まっていない。

 町は、新たに解除された中心部について、5年以内に町民1500人の帰還と、移住者1100人の転入を目標とする。吉田淳町長は30日、報道陣に「目標達成は難しいが、駅前に宅地を整備し、少しでも利用を増やしたい」と話した。

かつての商店街、今は「夜は物騒で怖い」

 解除されたJR大野駅前はかつて商店街だった。「中島時計店」「ユー美容室」「相双信用組合」……。11年前から変わらない看板の下には、壁が崩れて窓ガラスが割れたままの店舗が残る。除染放射線量は下がったが、復興の工事はこれからだ。

 「夜は物騒で怖いから、枕元に大きな鎌を2丁置いて寝る」。兼業農家だった高野一郎さん(73)は解除初日のこの日、帰還した。避難指示の解除に向け、昨年12月に始まった「準備宿泊」にも応募していた。

 被災したのは自宅を新築した…

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