食品の値上げ平均13%、年内には2万品目か 加工食品、酒類が顕著
食品の値上がりが加速している。帝国データバンクは30日、年内に値上げされる食品が計1万5257品目に及ぶとの集計結果を発表した。6月初めの集計時と比べて4千以上増えた。上げ幅は全体で平均13%になる。円安で輸入する原材料のコストがふくらみ、値上げは続きそうだ。年内には累計2万品目を超える可能性が高いという。
国内の主な食品メーカー105社を対象に、6月末時点で1月以降の値上げや、年内の予定を調べた。
1万5257品目のうち1~6月に値上げした品目は6451品目。7月には1588品目が上がる。ピークは3千品目を超える10月の見通しだ。
特徴としては食パンやハム、缶詰などで年内に2回以上値上げをするものが多いことだ。昨年4月からだと食用油のように6回値上げするものもある。
値上げ品目の約4割を占めるのが「加工食品」(6712品目)。6月初めの前回調査から2千品目以上増えた。北米でのスケトウダラ漁の不振などで、水産加工品や冷凍食品で値上げが相次いだという。
ビールや炭酸飲料などの「酒類・飲料」は3585品目。缶やペットボトルといった容器代も上昇している。マヨネーズやドレッシングの「調味料」は2627品目が上がる。帝国データの担当者は「これだけ幅広い食品が値上げされるのは過去に例がないのではないか」と話す。
背景には世界的な資源価格の高騰に加えて円安がある。1ドル=130円を超えた為替相場を前提に、多くの企業が価格を見直す。いまの円安水準を十分に織り込んでいない企業もあって、これから値上げを決めるところもありそうだ。(山下裕志)
1万5千品目を超える食品が値上げされる
値上げとなる品目数 平均値上げ率 主な品目
【加工食品】
6712 15% 水産加工品・ハム・ソーセージ
【調味料】
2627 11% ドレッシング・マヨネーズ・だし製品
【酒類・飲料】
3585 15% ビール・チューハイ・炭酸飲料
【菓子】
※帝国データバンクの調査から