山下達郎が語る死と生 「アーティスト」は嫌 目指す「近松」の世界

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定塚遼
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 昔から「アーティスト」という言葉は苦手だ。「僕は職人のほう。芸術家とか文化人とか、そんなものよりも、指し物職人やそろばん職人の技術に、僕は強く憧れるんです」。山下達郎はそう語る。11年ぶりとなるオリジナルアルバム「SOFTLY」を22日にリリースした。

 「昔はすべてレコード中心に動いていたけれど、レコード産業の構造的な問題によって、それができなくなった」。音楽界におけるCDの衰退をみて、2008年にライブ中心の活動に切り替えた。コロナ禍に入り、ライブがなくなったことでアルバムを作る時間的な余裕ができた。

 加えて、レコーディングがアナログからデジタルへと移って以降、「アナログで作ることができたグルーブを、いかにしてデジタル上で再現するか」ということに苦心してきたが、近年、技術の大幅な進歩で山下の求める音に近づいたことも、アルバム制作の一因となったという。

達郎さんは場をほぐすように、何をたずねても驚くほど気さくに取材に答えてくれた。新作についてはもちろん、楽曲の「耐用年数」の話、自身と近松門左衛門との相似点や、音楽サブスクについての違和感、そして死への意識などについて、忌憚なく語ってくれた。

死を意識する 「残り少ない人生をどうやって生きるか」

 音楽サブスク(定額制配信サ…

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    服部倫卓
    (ロシアNIS経済研究所所長)
    2022年7月2日9時26分 投稿
    【視点】

    新作『SOFTLY』は、もしかしたら最高傑作ではないか。 むろん、1980年代の『FOR YOU』、『MELODIES』などが一番好きというファンも多いだろう。しかし、ポピュラー音楽の世界で、古希を目前にしたアーティストが、最盛期と変わら