熱中症死の女児は「要保護」認定 でも市は一度も家庭訪問せず 大阪

田添聖史
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 大阪府富田林市で2歳の女児が自宅で死亡し、祖母らが保護責任者遺棄容疑で逮捕された事件で、富田林市は30日午後に記者会見を開き、女児への対応を始めた2020年10月以降、女児を児童福祉法上、虐待を受けている「要保護児童」と認定していたことを明らかにした。市は一度も家庭訪問をしていなかった。

 大阪府警によると、小野優陽ちゃんが0歳だった20年1月、実父が実母に面前で暴力を振るう「心理的虐待」があったという。現在は両親とは別居していた。

 富田林市によると、20年10月に府富田林子ども家庭センター(児童相談所)から優陽ちゃんの事案を引き継いだ。当時から祖母の小野真由美容疑者(46)や内縁の夫の桃田貴徳容疑者(50)らとの5人家族だった。

 市は優陽ちゃんの通う保育園と連携して見守っていたが、21年6月、小野容疑者の仕事の都合で送迎が難しくなったとして退園。一方で市は同年12月、優陽ちゃんのリスクを「要保護」から、虐待の兆候が見られるとされる「要支援」に引き下げた。判断の理由は「プライバシーに関わるため差し控える」とした。

 市の担当者は小野容疑者について「優陽ちゃんの養育の相談に訪れるなど、前向きな姿勢を見せていた」と説明。家庭訪問はせず、優陽ちゃんの様子を確認したり、小野容疑者に話を聴いたりするのは検診や来庁時のみだった。「対応に間違いはなかった」としたが検証する考えを示した。市が対応を始めて以降、虐待通告は寄せられておらず、顕著な発育不良や栄養失調などの異常は認められなかったという。

 今年6月15日、保健センターで実施した発達検査で、優陽ちゃんと小野容疑者の様子を確認。小野容疑者は30日に市の児童発達支援センターを見学予定だったが、事件当日の29日午後3時ごろ、「母の体調が悪くなった」と電話があり、中止していたという。

 市こども未来室の寺元宏行室長は、市の見守りの態勢について「結果として十分ではなかったと思う」と話し、市の対応について第三者や専門家とともに検証する考えを示した。(田添聖史)