捨てられるシルクでワインをドレスアップ 「住みます」CAらが考案

鵜沼照都
【動画】山形県鶴岡市のワイナリーとANAのCAがワイン造り=酒田支局・鵜沼撮影
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 捨てられるはずのシルクの端切れで着飾ったオリジナルのワインが完成した。山形県鶴岡市松ケ岡にあるワイナリーと全日空(ANA)の客室乗務員(CA)たちが共同で考案。「飲み終わった後は花瓶などに使って」と呼びかける。

 鶴岡市を含む庄内地域は国内最北限の絹(シルク)産地。特に松ケ岡地区は旧庄内藩士が「刀をクワに持ち替えて」開墾し、桑園を整備して養蚕を始め、一大産地として栄えた歴史がある。

 松ケ岡では2017年からブドウ作りが始まり、20年に「エルサンワイナリー松ケ岡」がオープン。新たな特産品と観光拠点作りに取り組むなか、今回は、昨年10月に庄内地域に移住して地元のPR活動も担うCA「ANA SHONAI BLUE Ambassador(ASBA)」の5人がワイン作りに参加した。複数の原酒を掛け合わせる「アッサンブラージュ」という手法でワインの味や香りを決め、瓶やラベル、パッケージにもアイデアを出した。

 着目したのが絹産地としての歴史だ。高級シルク製品を作る中でどうしても端切れが出てくる。それをワインボトルの装飾用に巻き付ければ、鶴岡の歴史を踏まえた「世界に1本だけ」が演出できると考えた。何より、シルクのスカーフはCAにとって正装の一部として馴染みがあった。

 完成したワインは、イタリア語で着飾るという意味の「Vestito(ベスティート)」と名付けた。「Cielo(シエロ)」と「Terra(テラ)」の2種類があり、「シエロ」は「青空のようなすっきりとした風味と爽やかな余韻」が楽しめ、「テラ」は「大地のように奥行きのある芳醇(ほうじゅん)な仕上がり」だという。

 ワイナリーの川島旭ゼネラルマネジャーは「松ケ岡の大地や月山からの風が感じられるような仕上がりをめざした」と解説する。

 CAの西紅映(くれは)さんは「ワインの味を一から作っていっただけでなく、シルクとワインという松ケ岡の新旧の歴史の融合が出来ないかと考えた。端切れの再利用は環境への配慮にもつながる。飲み終わった後には、花瓶などに使ってもらえれば」と話す。

 ワインの店頭販売はなく、シエロはクラウドファンディング「ANA WonderFLY(https://wonderfly.ana.co.jp/別ウインドウで開きます)」=7月31日まで=や、テラは市のふるさと納税「ANAのふるさと納税(https://furusato.ana.co.jp/別ウインドウで開きます)」=同29日から先行受付=の返礼品として、それぞれ限定頒布される。(鵜沼照都)