日産がルノーと結んだ秘蔵の「不平等条約」 締結20年でついに公開
日産自動車は30日、筆頭株主の仏自動車大手ルノーと結んでいる合意文書の一部を初めて開示した。株主から公開を求められていた。相互の出資比率の制限に大きな差があるなど不平等さが目立つが、改定によって日産の独自性が強まった経緯も明らかになった。
文書は「改定アライアンス基本契約」(RAMA)。1999年にルノーと日産が資本提携した後に前身の契約が結ばれ、02年に現行の契約内容の原型ができた。その後、05年と12年、15年に計3回改定された。ルノーは既に内容の一部を公表していたが、日産は「契約上の守秘義務がある」として一切公表してこなかった。
ただ、ルノーと日産の双方でトップを務めたカルロス・ゴーン元会長の不正事件の発覚後、RAMAにも一因があるとの指摘が出始め、昨年の株主総会では開示を求める提案も出た。日産は開示を拒んだが、日産関係者によると、金融庁から開示するよう指導があり、少数株主保護の観点から「守秘義務に抵触しない範囲」で一部を開示した。
6月28日の株主総会でも開示を求める株主提案が再び提出され、日産は一部の開示を約束していた。30日に出した有価証券報告書に、内容の一部を掲載する形で公表に踏み切った。
開示されたRAMAでは、ルノーと日産が持てる双方の株式の上限が決まっていた。ルノーは最大で44・4%まで日産株を持てるのに対し、日産が持てるルノー株は原則15%が上限だった。ルノーの方が日産に対して強い支配力を持つことができる、不平等な関係になっている。
■「日産の自由度を制限」、ゴ…