南区に住民が日本語教室を開設 増えるネパール人らみて「支えたい」

土井良典
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 【愛知】日本語に困っている外国人住民に向けた教室「日本語しゃべろう会」が、名古屋市南区の明治学区にある団地の一角で始まった。ネパール人で日本語が得意なウプレティ・レサムさん(37)と学区が開設し、行政も支援する。さまざまな問題を抱える外国人と社会との橋渡し役をめざす。

 毎週土曜午前10時~正午、市営氷室住宅3棟にある集会スペース「いりゃーせ」で開く。無料で、学区外からの参加も歓迎する。持参するのは筆記用具とノートと「日本語を勉強したい気持ち」だけだ。

 日本語の勉強や悩みごとにウプレティさんや、明治学区連絡協議会の喜多村隆会長(79)、日本語ボランティアらが応じる。初日の6月18日には、外国人やボランティアら50人余りが参加。あいさつや自己紹介の仕方、漢字の読み方や意味などを学んだ。

 区外から来た子連れのネパール人女性は「とにかく漢字に困る。こういう場は安心できる」と話した。

 きっかけはウプレティさんの母国ネパール人の住民の増加だった。ネパールは経済的に恵まれず仕事が少ないことが背景にあるという。学区によると、氷室住宅ではネパール人世帯だけで30世帯余り。相談ごとが増え、これまでお茶会やクリスマス会、悩みを聞く「ごちゃまぜ相談会」を開いてきたが、普段からの継続的な取り組みが求められていたという。

 教室の開設には、市や社会福祉協議会、教育機関、愛知県警も協力。近所の住民も、お茶やジュースの差し入れをしていた。

 ウプレティさんは、親戚が日本の大学で学んでいたことから興味を持ち、来日。名古屋市内の学校で外国人生徒をサポートする。「日本語がわからない子どもたちは増えている。たとえ子どもは日本語ができても、親ができないというねじれもある」と話す。日本語がうまく話せず母国語もできないという、どっちつかずの状況「ダブルリミテッド」も生まれ、受験や就職など、将来に向かって道を選択する際に困ることになるという。ウプレティさんは「とにかく困っている人の居場所にしたい」と話す。

 明治学区の喜多村会長は「地域の草の根の活動を応援してくれる人が多くてありがたい。これからが勝負。来た人を支え、楽しい空間にすることが一番」と言う。(土井良典)

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    田中宝紀
    (NPO法人青少年自立援助センター)
    2022年7月7日15時19分 投稿
    【視点】

    「当事者」でもあるウプレティさんの想いに、地域や行政が応えた素晴らしい取り組み。ネパール出身の方々が目立って増加し始めてから約10年ほどが経過していますが、こうした当事者発信の取り組みが行われる機会が増えれば、子どもたちが母語や母文化に触れ