そしてバトンは渡された 智弁和歌山、高2から約束された名将の後継

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安藤嘉浩
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 第104回全国高校野球選手権大会は6日、阪神甲子園球場兵庫県西宮市)で開幕する。昨年の第103回大会を制した智弁和歌山高校の中谷仁(じん)監督(43)は、同校の主将としても第79回大会(1997年)で深紅の大優勝旗を手にしている。その高校時代を、恩師の高嶋仁さん(76)に語ってもらった。

 中谷は捕手やから、毎日のように怒った。ぼくは打たれたら、基本的には捕手を叱る。

 「なんであそこでストレートやねん」

 「変化球を放らせたら打たれるやろ」

 なにを投げさせても打たれたら叱られるから、途中で野球が嫌になったんちゃうかな。記憶が正しければ、中谷が2年の6月やった。東邦(愛知)との練習試合に出かけた先で、腹が痛いと言って倒れたことがあった。医者の診断は神経性胃炎。かなり追い込まれとったんやと思う。

 中学時代から軟式野球で知られた選手やった。彼らが中学3年の春に選抜大会で初優勝したから、ほかにも、ええ選手が入学してくれた世代。96年春の選抜大会準優勝の原動力となった投手の高塚信幸(元近鉄)や、遊撃手兼抑え投手として活躍してくれた清水昭秀、3番を打った喜多隆志(元ロッテ、現・興国高=大阪=監督)らだ。

 その要となる捕手として、中谷には成長して欲しいと期待した。

 選手に対しては、性格やタイプを把握しながら、それぞれに負荷をかけていくことが大事だ。中谷は明るくて素直。かなり追い込んでも向かってくる。そやから、かなりしぼった覚えがある。

 もちろん、叱るからには自分自身が常に勉強し、成長し続けんとあかん。ぼくはもともと野球が大好きやから、指導者講習会があれば、どこへでも出かけた。最前列に座るから、「やりづらい」と講師に言われたこともあった。

 最新の野球理論や指導法を、常に学んでおきたい。とくに小学生に伝えるような基礎講座と、捕手の講座には参加するようにした。

 中谷たちの世代は下級生時代…

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