骨抜きにされた民主主義 プーチン氏が20年かけ打ってきた布石とは
記者解説 論説委員・駒木明義
ウクライナでの破壊や一般市民の犠牲について、あなたに道義的な責任があると思いますか――。
5月にロシアで行われた世論調査の質問に対する回答は、以下のようなものだった。
まったくない 58%
ある程度ある 25%
完全にある 11%
自分たちが選んだ大統領が始めた戦争なのに、その結果をひとごとのように感じている国民が多数派だ。
ロシアは制度上は民主主義国家だ。憲法には三権分立の原則も明記されている。ソ連時代とは異なり、国を率いる大統領や、立法を担う下院議員は、選挙で選ばれる。
とはいえ、自分たちが積み重…
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- 【視点】
私自身は、この記事とはちょっと違う捉え方をしている。 ロシア国民は、外交・軍事・安全保障などのハイポリティクスに関しては、自分たちが口を差し挟むような事柄ではなく、大統領に任せておけばいいと考える傾向が強い。 その代り、国民にとって身近
- 【視点】
アメリカ国務省は民主主義について「世界各地のさまざまな民主主義制度には微妙な違いがあるが、民主主義政府を他の形態の政府と区別する一定の原則と慣行が存在する」としたうえで、以下の条件をあげています(日本語訳は駐日アメリカ大使館HPに掲載)