そば屋の息子がそばアレルギーに 老舗4代目が3年悩んで出した答え
杉原里美、江戸川夏樹
3年前、小学生になったばかりの長男(9)の腕にブツブツができた。
まさか。
そば団子を持たせた時の症状。大森貴行さん(44)は動揺を隠せない。
シャツを脱がせた。長男はかゆいかゆいと泣きそうだ。ブツブツは胸や背中まで広がっていた。
そばアレルギー。
思い当たることは過去にもあった。何が原因かわからないじんましん。症状は長女(6)にも出ていた。
そばを食べさせなければいい。ただ、それだけですまない事情があった。
大森さんは、115年続く老舗そば屋の店主だった。
東京都江東区にある「蕎麦処(そばどころ) 小進庵(こしんあん)」の4代目。おいしいと評判のそば粉があれば、現地に行く。名物料理になればと、熟成させたカモのローストを何カ月もかけて作り出した。新たな工夫を重ね、おいしいそばを出そうと必死だった。
だが、自分が作るそばを子どもたちに食べさせられない。足元がぐらついた気がした。
ネットで検索すると、「中学…