中学受験はせずに三角関数 科学五輪選手が育った家庭の型破りな習慣

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高浜行人
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 埼玉県の私立栄東高校3年の佐藤弘康さん(18)は小さい頃から、一風変わったことに興味があった。

 例えば、近くの駐車場などで石を拾うこと。

 赤色などの少し珍しい石を見つけては、持って帰って集めた。

 例えば、星の成り立ち。

 3歳ぐらいのころから、NHKの科学番組で、月ができる過程を再現したCGを食い入るように見た。

 やがて、天体や地層といった地学にかかわる図鑑や本を読むようになった。

 中学受験はしなかった。

 「興味のあることばかり、やりたい放題やってきた」

 そう振り返る佐藤さんは昨夏、世界の強豪が集まる国際地学オリンピックに日本代表として出場し、銀メダルに相当する成績を収めた。

 さらに今年、7月12日から始まる国際地理オリンピックに、日本代表(4人)の一員として参加する。

 世界トップレベルの知識や科学的思考力が養われたのはなぜか。

 秘密は、小さい頃からの習慣にあった。

7~8月、高校生らが世界を舞台に理数などの学力を競う国際科学オリンピックが開かれます。科学好きの子が、どんな環境で育つのか。一人の代表選手のこれまでの歩みを掘り下げ、「好き」を伸ばす教育について考えます。

絵本代わりに写真図鑑の読み聞かせ

 佐藤さんが幼いころから天体…

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    氏岡真弓
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2022年7月4日15時25分 投稿
    【解説】

    【楽しさが牽引する学習】 国際科学五輪への国内からの参加者は増えつつあります。この結果を大学入試に生かせることも一つの理由だと思いますが、佐藤弘康さんの「好き」から始まる挑戦は、ただ純粋にな意欲からのもので、学ぶとはこうあるべきだ、と感じ