炎天下、真っ赤な顔で帰宅した娘 登下校での熱中症、子ども守るには

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塩入彩、田中紳顕、高浜行人
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 夏休み前に異例の猛暑が続き、学校が熱中症対策に苦慮している。特に気をもむのは、大人の目が届きにくい通学路。登下校で体調を崩す子もいて、保護者からは心配の声が上がる。専門家は特に暑い下校時は危険だとし、対策の強化を求めている。

 「さよーならー」

 強い日差しが照りつける6月30日午後2時過ぎ。東京都新宿区の区立四谷小学校の昇降口から、児童たちが元気よくあいさつしながら次々に出てきた。東京都心はこの日、6月の観測史上最高となる36・4度を観測。ほとんどが帽子をかぶり、日傘をさす子やマスクを外す子もいた。

 「日傘や保冷剤、冷却タオルなどを使用してもいいと伝えているんです」と石井正広校長は話す。2007年度に3校が統合してできた四谷小は通学区域が広く、中には30分近く歩く子も。2年前にはなるべく日陰の道を歩けるよう通学路を変更したものの、交通指導員を確保できず、長く続かなかった。大人が常に見守ることはできないため、下校前に水分補給を促すなど、通学中の熱中症対策に気を配る。

 文部科学省によると、学校への冷房設置は近年、大きく進んだ。直近に調査した2020年9月時点で、全国の公立小中学校の普通教室の設置率は93%に上った。一方で体育や登下校時といった屋外活動のリスクは依然として高い。

 文科省は21年に出した手引で、登下校時の対策として、涼しい服装や帽子の着用、適切な水分補給を指導することを求めた。また、人と十分な距離がとれる場合は「マスクを外すよう積極的に声をかける」と明記した。

 学校や自治体は対策に乗り出している。夏の暑さで有名な埼玉県熊谷市では、市立小中学校45校に傘をさして登下校するよう推奨している。日差しを防ぐとともに、ソーシャルディスタンスを保てる利点もあり、年内にも市内の全児童約9千人に日傘を配布する予定だという。ほかにも栃木県壬生町愛知県豊田市が同様に日傘を勧める。

子どもの熱中症対策の死角となっているとも言える炎天下の通学路。記事の後半では、そのリスクと対策について専門家の話を紹介します。

マスク、外せない子も

 ただ、マスクについては難し…

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