「一票の格差」対策として、有権者の少ない二つの県を一つの選挙区にする合区が参院選で導入され、今回で3回目となる。定着しつつあるのは、現職が地盤としない県の低投票率だ。当地は、さらなる地方の衰退を招きかねないと危機感を募らせる。
鳥取県東部・人口約1万6千人の八頭町(やずちょう)の山あいにあるJA支部の前で6月24日、地元選出の衆院議員・石破茂自民党元幹事長(65)がマイクを握った。
「今度の選挙は、『うちの村には来なんだで』っちゅう村がないようにしたい。6年前よりもどれだけ票をとるか。お願いばっかで、本当にすまんことです」。こんな口調で150人ほどの聴衆に、同党から参院選に立つ現職の青木一彦氏(61)を紹介した。
鳥取は鳥取の人を選びたい? 各陣営、合区を意識
鳥取、島根両県の合区は20…
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- 【視点】
異なる県が一体として扱われる「合区」の問題は、「一票の格差」是正にとどまらない深さがあると思います。日本は人口減少のただなかにあり、大都市と地方の格差は広がり続けてきました。選挙区が一体になるのならば、県も二つに分かれている必要があるのかと