選挙の候補者らの訴えがまとめられ、法律によって有権者に配られている印刷物がある。「選挙公報」だ。今回の参院選では約31億円の国費が充てられている。でも、どう読めばよいのだろうか。
「選挙公報を読めば読むほど選挙が楽しくなる」。選挙取材を長年続けてきたジャーナリストの畠山理仁さん(49)はこう話します。畠山さんにたっぷりと聞きました。
――選挙公報に着目したきっかけは何でしょうか
25年以上前から、国政政党の公認候補ではない候補者の取材を続けてきました。そうした人は新聞やテレビで見ても名前と顔、年齢くらいしかわからない。何を訴えているのか知ろうと思った時に、選挙公報に行き着きました。
実際に読んでみると、名前と顔だけじゃなくそれぞれの個性が出ていてとても面白かった。
――印象に残っている選挙公報はありますか
紙幅いっぱいに詩を書いて訴えたり、漫画でこれまでの歩みを紹介したりと、ユニークなものがたくさんありました。
大きな字で名前とキャッチコピーだけを書いたようなものもあれば、「歯の矯正無料化」といった極端に細かいものもあって、中には「税金ドロボー、カネ返せ」という直球や、YouTubeチャンネルにつながるQRコードのみというのもありました。
人間性がにじみ出ている
――政党公認の候補者はみんな同じ内容でしょうか
基本的に党の色やスローガンに沿っていますが、よく見ると一人ひとりの人間性がにじみ出ているのが読み取れます。
2021年の衆院選で見てみ…
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