6月1日の日暮れ時、北関東の市営住宅で、5~17歳の4人の子どもたちが食卓を囲んだ。40代のシングルマザーは大鍋でうどんをゆで、小ぶりのおわんに取り分けた。具は油揚げとネギとホウレンソウ。そこに、ひとり親世帯の支援団体から届いた材料で作った炊き込みごはんを添えた。
肉や魚が食卓に上がるのは、週に1回程度。「本当は子どもたちにお肉や旬の果物を食べさせたい。でも、食費ぐらいしか削れないんです」。夕食はもっぱら麺類で、モヤシやキャベツで量を増やしたラーメンや焼きそばでおなかを満たすことも多い。
「今夜から食べるものがありません」
昨春、ツイッターで見つけたひとり親世帯の支援団体の問い合わせフォームに、そんなメッセージを送った。「自分よりももっと困っている家庭があるかもしれない」。そんな思いもよぎったが、限界だった。現在は月1度の食材支援を受け、「何とか切り詰めて生活している」状態だという。
困窮する食卓
止まらない格差拡大に、コロナ禍と物価高が追い打ちをかけている。「食べるものがない」「食事を減らしている」。参院選で経済対策が争点となる中、生活に苦しむ人々の「食」の現場から、日本の貧困の現実を見つめた。
数年前、傷害事件に巻き込ま…
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