「中学の理数授業少ない世代、特許出願数少ない」 研究チームが警鐘
中学で理数科目の授業時間数が少なかった世代は、特許出願数も少ない――。そんな研究結果を、神戸大学経済経営研究所の西村和雄・特命教授らのチームが1日に発表した。「日本の研究開発能力の低下は、背景に学習指導要領の改訂があることを強く示唆している」としている。
研究チームによると、2020年に調査会社を通して国内の研究・技術職の人にアンケートを実施し、5千人から有効回答を得た。
その結果、中学時代に理数科目の授業が840時間あった52~60歳(調査時点)の世代は、1人あたりの年間特許出願数が0・156件だったが、授業が735時間に減った40~51歳は、出願数が3割ほど減って0・108件に。さらに授業が減った31~39歳は、出願数もさらに少なかった。
研究チームは16年にも別の調査会社を使って同様の調査をしている。特許出願数は一定の年齢を過ぎた頃から増えるが、年齢と出願数の関係をみると、今回の調査は前回からちょうど4歳ほど年をとるかたちで、同様の傾向が見られた。このことからも、出願数に世代が関係していることが確認できる、としている。
研究チームによると、中学の…
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- 【視点】
こんなにはっきりと数字に表れるとは。政府は、日本の研究開発力低下をとめようと、躍起になって大学のおしりをたたいていますが、問題はそれよりずっと前の段階にあったのですね。 たしかに指摘されてみれば、中学校の理数科目の授業時間が少なければ