勝利は何のため?「上」から指示しない指導者ら 新たな高校野球像
太田原奈都乃
部活動で「勝利至上主義」の行き過ぎが指摘されている。スポーツには勝敗が付きものだ。勝利は目指すべきものか、その価値は何か、どうやってたどり着くのか。部活動が過渡期にある中、山口県内で高校野球に携わる指導者たちの思いを聞いた。(太田原奈都乃)
引き出したい「自分を超えるチャンス」 西京
「自ら考え、動く」チームへ変わるため、西京野球部は「ポジション別ノート」を昨秋から始めた。
バッテリー、内野、外野。2年から3年まで、同じポジションの選手全員と浜田洋平監督(43)が共有する。1人がその日の部活動を振り返り、そこに浜田監督が返事を書く。
他の選手と監督のやりとりを全て見ることができる。逆に言えば全て見られる。浜田監督も、発案した山縣大輔部長(45)も「うわべだけの言葉が並ぶかもしれない」と思っていた。だが、一人の選手が2ページにわたって弱みをさらけ出し、驚いた。
春まで控えだった。仲間のけ…
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