新型コロナウイルスの感染者が再び増えつつあるが、感染対策と社会・経済の回復をいかに両立させるか、参院選では主な論点となっていない。感染者と濃厚接触者が激増し、社会機能が低下した「第6波」で起きた問題を繰り返しかねない状況だ。
「大パニックになる」 いらだつ保健所長
関西のある保健所長は、感染拡大の兆しをみて、いらだちを隠せない。
「国の対応はいつも遅い。今のままでは保健所は大パニックになる」
今冬の第6波では、1日の新規感染者が10万人を超え、各地の保健所が逼迫(ひっぱく)した。
軽症や無症状の人も含め、保健所によっては1日数百人から健康状態を聞き取る必要があった。入院について病院と調整し、応援の職員をもらっても追いつかなかった。
厚生労働省によると、1~3月に自宅で亡くなった感染者は555人。このうち65%は陽性がわかった後、療養していた。
保健所が逼迫すれば、療養者への連絡が滞り、異変に気付きにくくなるおそれがある。
第6波で相次いだ欠勤 再び?
一方、社会・経済活動の維持も難しくなった。
まん延防止等重点措置による行動制限だけでなく、濃厚接触者となって自宅などで隔離される人が急増したことで、医療や交通など、エッセンシャルワーカーの欠勤が相次いだからだ。
6月末、全国の感染者数は再び増え始めた。
主流となりうるオミクロン株の亜種「BA.5」は、重症化しやすいというデータはないが、感染を広げやすいとされる。
さらに、ワクチンの3回目接種による感染予防効果が下がっている。暑さのため換気もしづらく、夏休みで人の接触は増える。
これらの要因で感染の拡大に拍車がかかれば、感染者と濃厚接触者が爆発的に増え、第6波と同じ問題を繰り返すおそれがある。
インフル扱いなら…
次の流行期には、感染対策と経済活動をいかに両立させるかが問われる。大きな財政支出をともなう経済支援には限度があり、感染対策をどこまで緩められるのかが焦点だ。
「もはやコロナは、インフル…
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