「お前はエースじゃない」と告げられた春 生まれ変わると決意した

石垣明真
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 2日、高校野球南北海道大会札幌地区Gブロック2回戦、札幌日大5―1札幌藻岩

 札幌藻岩の背番号1、酒井敦成投手(3年)にはライバルはチーム内にいない、はずだった。「お前はまだエースじゃない」。春、石山智也監督に告げられた。

 「軽い性格だった」と酒井投手。練習で力を温存し、紅白戦で打たれれば、「球が浮いちゃったな」とごまかしていた。「周りに助けられて初めてエースたりうる。自分だけじゃ絶対に勝てない」。普段の生活から生まれ変わると決めた。授業中の居眠りをやめた。トレーニングのダッシュは最後の1歩まで気を抜かず走り抜ける。浮き球を打たれれば、球が浮く原因を捕手と突き詰めた。

 背番号「1」を改めてもらって臨んだ夏。この日七回裏、相手の4番打者を迎えた。前の打席で迷いを残して投げたカットボールを捉えられ、走者一掃の適時打を許していた。「打たれてもいい。力を出し切る」。2ボール2ストライクからの渾身(こんしん)の直球が外角低めに決まった。見逃し三振。「自分を信じてよかった」

 「自分でも伸びしろがあると思う」という酒井投手は、野球を続けた方がいいという石山監督の勧めに従おうと思っている。(石垣明真)