大リーガーが育つ地で学んだ哲学 そしてグラウンドから怒声が消えた
安藤仙一朗
群馬県立の渋川青翠(せいすい)のグラウンドから怒鳴り声が消えたのは4年前のことだ。
ノックでエラーが出ると、清水哲也監督(42)はノックが終わった後に、選手と個別に話す。
向かい合わず、立たせもしない。ベンチに隣り合って座る。威圧感を与えず、対等に会話するための工夫だ。
試合で打ち込まれた投手とは翌日、話し合う。落ち込んでいるときに助言しても、胸にとどまらないと考えるからだ。
アドバイスを採り入れるかどうかは、選手に任せている。
「選手と指導者の関係は対等です」
子どもを取り巻くスポーツ界で勝利ばかりに価値を置く活動や高圧的な指導が徐々に見直されています。104回目の夏を迎える高校野球はどうでしょう。それぞれのやり方を模索する現場を訪ねました。
そんな指導理念を持つように…