那須特別支援学校の寄宿舎、存続訴え保護者が署名活動

小野智美
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 【栃木】知的障害がある子が学ぶ那須特別支援学校那須塩原市)の寄宿舎存続を求めて、在校生の保護者5人が2日、同市内で署名活動をした。今年度末での寄宿舎廃止を決めた県教育委員会に対し、保護者らは「寄宿舎は特別支援教育の宝だ」として撤回を訴えている。

 炎暑の中、保護者会代表の鈴木美由紀さん(47)は行き交う人々に声をかけて署名を呼びかけた。署名に応じた人たちの中には「自分も集めてくる」と署名用紙を持ち帰る人もいた。

 鈴木さんは、来年度は、高等部1年生の次男が寄宿舎に入ることを望んでいた。生活力が培われる場になると期待していたからだ。寄宿舎を経験せずに卒業することを考えると、不安が募るという。「素晴らしい寄宿舎を子どもから取り上げず、モデルケースとして全国に広めてほしい」

 一緒に署名を呼びかけた副代表の菅原ひとみさん(52)の高等部2年生の次男は昨年度、寄宿舎に入った。おむつが手放せないが、寄宿舎で生活指導を受けてトイレで用を足すこともできるようになり、家族が見たことのなかった得意げな表情をするようになった。「子育ての達成感は一生かかっても得られないと思っていた。寄宿舎で胸に希望が芽生え、この子と頑張って生きていこうと思えた。この思いを他の人にも味わってほしい」

 県教委は、1978年に建てられた寄宿舎を老朽化を理由に解体する方針だが、菅原さんは「この44年間、数多くの親子の生きる希望がここで育まれた」と惜しみ、改修して維持されることを望んでいる。(小野智美)