高卒女性が銀行の取締役に 結婚機に辞めるつもりが…自転車で営業へ

秋山訓子
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高知銀行・三宮晶子さん(65)

 地元高知銀行の取締役に就任して7年。金融庁によれば、最終学歴が高校卒の女性で取締役になったのは銀行業界で初という。

 入行して手形の交換業務に就いた。結婚や出産で退職するつもりだったが、早々に相手と別れたこともあり、息子を育てながら働き続けた。12年目に営業の面白さに目覚める。「ありがとうと言われるのがうれしくて」顧客の家族構成を覚えて相談にのった。

 「行きつけの美容院のおばちゃん」を通じて年金口座を次々と獲得。新商品が出ると自分で試し、お薦めできるものを売り込んだ。自転車で担当地域を回り、小まめに止めてあいさつしてまたサドルに。「三宮さんの自転車の車輪は止まる時がないね」と言われた。

 業績を上げて支店長、部長となり、58歳で取締役監査部長。それまで「高卒」を気にしたことはなかったが、打診されて思わず「私には学歴がありません」と口から出た。「2年だけ」と言われ「せっかくの期待を裏切りたくない。あと2年しか働けないのなら、より一生懸命にやろう。高卒の学歴と共存共栄するつもりで」と仕事に向かった。

 結果を出し、「期限」は延びて2年後には常務に。今年度からは総務とコンプライアンス統括を担当し、業務の改革・効率化を図ろうとあれこれ工夫をこらす。車輪は今でも回り続けている。(秋山訓子)