「曇天の人生」カレーで変わった 大学生が印度カリー子になるまで

緑川夏生
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料理研究家 印度カリー子さん(25)

 「曇天の下を歩いているようだった」という人生は、スパイスカレーに魅せられて味わいが変わった。「業界の常識を覆す挑戦」と評価され、著名な雑誌が昨年、大リーガーの大谷翔平選手らと並べて取り上げた。難しいと思われていた調理の手軽さを伝えてきた。

 仙台市出身。数学と物理が得意で、漠然と科学者を目指した人生に転機が訪れたのは大学1年生の時。カレー好きの同居の姉を喜ばせようと、レシピを見ながらスパイスカレーを作った。

 具材を煮込む日本の一般的なカレーと違い、短時間で炒め、豊かな香りが立ちのぼる。国内では認知度が低く「広める価値がある」と思った。情熱を傾けるものが初めてでき、人生に光が差した。

 在学中に300セットを販売したところ、わずか1カ月で完売。予想外に早く評価され、自信を持った。22歳で会社を立ち上げ、初心者向けの商品を本格的に開発・販売し始めた。テレビ出演などもしながら、東京大大学院でスパイスと肥満の関係を研究した。

誰でも作れるスパイスカレーのレシピを広める

 誰のレシピかを思い出してもらえるよう、記憶に残りやすい名前で活動する。レシピ本はすでに15作。目指すのはスパイスカレーが当たり前に家庭で作られる文化にすることだ。「夢を持てない人がスパイスの楽しさに気づき、生きる目的になったらうれしい」。アレンジの幅も広く、研究はきょうも続く。(緑川夏生)