第18回21世紀の日本を覆った不安 「ザ☆ピ~ス!」がつなぐ日常と社会

有料会員記事参院選2022

聞き手・伊木緑
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「ザ☆ピ~ス!」と選挙 ②

 参院選期日前投票が始まっています。SNSを見ると、「投票行って外食した」という投稿があちこちに出ています。焼き鳥の写真とともにつぶやく人や、「投票行って散歩してきた」という人も。この「投票行って○○した」というフレーズの投票報告の起源となっているのが、21世紀が始まってまもない頃に大ヒットした「モーニング娘。」の「ザ☆ピ~ス!」の一節。SNSもなかったころの歌なのに、なぜ? 社会学者の太田省一さんに読み解いてもらいました。

おおた・しょういち

 1960年生まれ。社会学者、文筆家。メディアと社会・文化の関係を研究している。「平成アイドル水滸伝」など著書多数。朝日新聞で「令和テレビ時評」を連載中。

アイドルの歌う「日常」 その中に選挙があった

 ――ツイッターを見ていると、すでに「投票行って外食した」という投稿を見かけます。曲が発表されたのは2001年ですが、いまも話題になるのはなぜでしょうか。

 「インターネットの普及が大きいでしょう。発売当時、幼くて歌詞をよく覚えていなかった人までSNSを通じて知るようになり、ずっと語り継がれる曲になりました」

 「『モー娘。』が、テレビで広い世代の人たちがヒット曲を共有できた最後のアイドルだということもあるでしょう。オーディション番組『ASAYAN』で選抜される過程から知っていて、デビューに際して課されたハードルを乗り越える姿を一緒に見て……。音楽番組から出て、国民的スターになったアイドルはその後出ていませんから」

 ――タイトルの通り「ザ☆ピ~ス!」は選挙についての歌ではないですよね。それが、選挙のたびに歌い継がれる「選挙の曲」になっています。

 「昭和の時代、アイドルは初恋や淡い恋心など恋愛ソングを歌うものだった。『ザ☆ピ~ス!』は、『好きな人が優しかった』というフレーズはあっても、恋愛そのものを歌っているわけではありません。普段の暮らしの中でちょっとうれしかったことをアイドルが歌うなんて革新的だった。そして人々の日常を歌った中に『選挙』があったわけです」

 ――「ザ☆ピ~ス!」が生まれたのは、21世紀が始まってまもない時期。いまの時代とはずいぶん違うように思いますが。

世紀末の「LOVEマシーン」 新世紀の「ザ☆ピ~ス!」

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 「その意味では、20世紀末…

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    たかまつなな
    (時事YouTuber・笑下村塾代表)
    2022年7月9日22時5分 投稿
    【提案】

    選挙の際は子どもと一緒に投票所に行ってほしいです。総務省の調査で、小さいころに親と選挙に行ったことがある人の投票率は、そうでない人よりも20%高いというデータがあります。選挙の日は家族で投票にいって外食しましょう!

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    長野智子
    (キャスター・ジャーナリスト)
    2022年7月7日9時59分 投稿
    【視点】

    「ザ・ピース」の歌詞って「選挙の日って ウチじゃなぜか 投票行って 外食するんだ」の後に「奇跡見たい すてきな未来 意外な位 すごい恋愛」て続くんですよね。選挙って自分の幸せや未来を考えること、という前向きなメッセージ。でもなかなか今の時代

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