「なぜ孫は死んだのか」豪雨で決壊したため池、国は動き出したが…
新屋絵理
2018年に西日本豪雨が襲った広島県では、ため池が土砂崩れで決壊し、3歳の女児が巻き込まれ亡くなった。全国のため池の数は15万を超えるが、江戸時代など古くに造られたものもあり、管理が行き届いていない。女児の死をきっかけに、国も動き出した。
「ここで平穏に暮らしていたのに、思いもしないようなことになって」
孫を亡くした甲斐恭隆(やすたか)さん(73)は草が生い茂る福山市の自宅の跡地に立ち、つぶやくように言った。妻(70)と2人暮らし。隣の離れには次男とその妻、2人の孫が暮らしていた。
責任はだれに 訴訟での思わぬ「壁」
4年前の7月7日。夕食を終えると、「重機が走るような音」がした。
「水がきよる!」
妻が離れの玄関を開けて叫ん…
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