第1回街を見張るタリバン戦闘員、実は無給 「日本行きたい」漏らした本音

有料会員記事

カブール=石原孝乗京真知
[PR]

 香ばしいケバブのにおいが通りに漂う。夕食時の夜9時すぎ。カブール中心部のジュースを売る店をのぞくと、家族連れに交じって、ひげを蓄えた迷彩服姿の男が数人いた。

 男たちは店の外の椅子に腰を掛け、傍らに自動小銃を置いてマンゴージュースを飲んでいた。いずれもたくましい体つきで、目つきは鋭かった。

 男たちの視線がこちらに向く。軽く手を上げ、あいさつした。敵意がないことを示すためだ。「カブールの様子を撮っている」と告げると、撮影を許された。うち1人が英語で話しかけてきた。「我々はハッカーニのメンバーだ。この辺りを拠点にしている」

 ハッカーニとは、アフガニスタンで昨年8月に当時のガニ政権を崩壊させ、権力を掌握したイスラム主義勢力タリバンの最強硬派のことだ。ハッカーニのトップは、米捜査当局に「テロリスト」として指名手配されているシラジュディン・ハッカーニ幹部。米軍施設や外国NGO(非政府組織)などを標的にした自爆テロや襲撃をたびたび起こしてきたとされる。現在はタリバンの暫定政権で内務大臣を務め、治安部門を仕切っている。

【連載】混迷の十字路 タリバン支配下の暮らし

 アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが権力を掌握してからもうすぐ1年。街中に戦闘員を配置して監視を強め、女性の権利を狭めています。タリバン支配下で何が変わったのか、現地から報告します。

 男たちは銃を手にしたままジュースを飲み干した。別の1人は「ジュースでも食事でも、武器でも何でも、ほしいものがあれば提供するぞ」と言った。駐留米軍が去った今、恐れるものがないハッカーニの自信をにじませた。

 近くのアイス屋でも、タリバンの戦闘員たちがソフトクリームを食べていた。20代の男性店員は「彼らは仕事が終わる夜9時過ぎごろから来始める。物騒に見えるかもしれないが、彼らがいれば(やっかいな客や犯罪者が来ないから)安全だと思うことにしているんだ」と話した。

検問中、話しかけたら「付いてこい」

 カブールの主要な道路や交差点では、数百メートル置きにタリバンの戦闘員たちが検問に立っている。彼らの一部は、敗走した旧政権の軍兵士たちが残した迷彩服を、制服代わりにしている。行き交う車を止め、運転手に身分証の提示を求めたり、トランクを開けるよう指示したりしている。

 検問が厳しいのは、なぜなのか。

戦闘員に「付いてこい」と言われた記者。その先で見た光景とは――。動画と共に伝えます。

 過激派組織「イスラム国」(…

この記事は有料会員記事です。残り2376文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら