第3回女性の一人旅・男性のひげそり、なぜNG 勧善懲悪省を直撃してみた

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カブール=石原孝乗京真知
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 イスラム主義勢力タリバンの支配下で恐れられているものの一つに、「勧善懲悪省」という組織がある。タリバンが求めるルールが守られているか、人々を監視して取り締まる部署だ。

 1996~2001年の旧タリバン政権時代には、公開処刑もいとわぬ「宗教警察」と恐れられ、人権抑圧の象徴として国際的な批判を浴びた。勧善懲悪省の職員は医者が羽織るような白衣を着ているので、迷彩服姿の戦闘員とは見分けがつきやすい。

 タリバンの支配下で、いったい何が禁じられ、何が許されているのか。5月31日午後、勧善懲悪省を訪ねて直接、聞いてみることにした。

【連載】混迷の十字路 タリバン支配下の暮らし

 アフガニスタンでイスラム主義勢力タリバンが権力を掌握してからもうすぐ1年。街中に戦闘員を配置して監視を強め、女性の権利を狭めています。タリバン支配下で何が変わったのか、現地から報告します。

 勧善懲悪省の庁舎は、首都カブール南部の博物館の近くにあった。昨夏に省が復活したときは、同じころ解体された女性問題省の跡地に入っていたのだが、その後、移転した。

 手荷物検査の後、高さ3メートルほどの塀に囲まれた敷地に入ると、広い駐車場の先に4階建ての建物があった。拳銃を腰に下げた若い職員の案内に従って、3階に上がった。サムスン製のエアコンがある部屋で1時間ほど待つと、ムハンマド・サディク・アキフ報道担当幹部(通称アキフ・ムハジル)が入ってきた。

 アキフ幹部は執務机の椅子に腰掛け、私たちを見つめた。私たちは助手に通訳を頼みながら、組織の人員や役割、そして彼らが考える「善」「悪」とは何かについて、聞いていくことにした。

女性が顔を覆うのは「善」 その理由は――

 ――勧善懲悪省には何人のスタッフがいるのですか?

 7千人強です。全ての州と、その下の地区に事務所があります。苦情を受け付ける部署もあります。

 ――組織の役割を教えてください。

 善い行いを広め、悪い行いをなくし、シャリア(イスラム法)が完全に守られた社会を実現するのが役割です。

 ――悪い行いとは?

 (少年を性的に搾取する)バ…

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