理数科に進学、練習は1時間…「文武両道」目指したエースの最後の夏

榎本瑞希
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(3日、高校野球福岡大会 筑紫丘0―5福岡工)

 0―5で迎えた八回裏2死。筑紫丘のエース井上毅人君(3年)は連続四球などで二、三塁に走者を背負っていたが、集中を切らさなかった。

 「高校生活の最後に、納得のいく投球を」

 フルカウントまで粘る打者の内角に、自慢の直球を投げこんだ。バットは空を切り、味方の歓声を浴びてベンチに戻った。

 181センチの長身から投げ下ろす直球が注目され、私立高の誘いも受けたが、「文武両道」を目指して筑紫丘の理数科に進んだ。朝夕にも課外学習があり、1時間強しか練習できないことも多い。時間を無駄にしないよう、キャッチボールから制球を意識した。

 3年生部員は6人だけで、後輩とともに「全員が前向き」なチームをつくってきた。失策で点を失っても「切り替えろ」と声をかけあった。敗れはしたが、ビッグイニングはつくらせなかった。試合後、「今までで一番いいチームだった。みんなで一丸になれる野球が好き」と晴れやかな表情で語った。(榎本瑞希)