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赤字体質の町立病院を民営化 黒字に転換させた医師の真骨頂

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浜田陽太郎
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現場へ! 地域医療の最前線で②

 おかしみがある人だ。

 「どうしても全部食べちゃう。残す勇気がない」。社会医療法人関愛会の会長、長松宜哉(のぶや)(67)は、診療所の調理室がつくった昼食の「検食」を終え、つぶやいた。

 ラムネ温泉で知られる長湯温泉郷(大分県竹田市)のへき地診療所・伊藤医院。入院ベッドがあり、配食事業も手がけ、地域で頼りにされてきた。だが、院長が病に倒れ、同じ竹田出身の長松に「応援」依頼が来た。

 自分の病院とかけもちで、多い時には週4日、長松は大分市内の自宅から車で約1時間かけて通勤、診察にあたってきた。

 「地域包括ケアに熱心に取り組む法人が大分にある」。旧知の取材先である二木立(にきりゅう)・日本福祉大名誉教授からそう紹介され、私が1年間、「研修生」として身を寄せた関愛会は、長松が18年前に設立した。存亡の危機にあった町立病院を受け継いでスタートした法人は現在、三つの病院や介護施設など30を超える事業所、職員約700人を抱えるまでに成長している。

 1979年に自治医科大を卒…

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