ロシアが唱える「新G8」の実態 杉山前駐米大使が語る「弱点」とは

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聞き手・牧野愛博
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 主要7カ国が6月下旬の首脳会議(G7サミット)で、ロシアや中国を批判する首脳宣言を採択しました。一方のロシアは、同月中旬の国際会議で中国やインドなどからなる「新しいG8」を提唱しました。G7と「新G8」の構成国のほとんどが、今月にインドネシアで開かれる主要20カ国・地域(G20)外相会議に参加します。杉山晋輔前駐米大使は「G7が新G8に決して負けない理由がある」と説明します。

 ――ドイツでのG7をどう評価しますか。

 G7の首脳宣言はウクライナや中国の問題を網羅しました。岸田文雄首相も「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と語り、会談をリードしました。

 米国は昨年3月に発表した国家安全保障戦略の暫定的な指針で、同盟国に責任の公平な分担を求めました。欧州諸国は少し前まで、中国の「一帯一路政策」に傾倒していましたが、ロシアによるウクライナ侵攻もあり、米国が主導権を取り戻すことに成功しました。

 ――ロシア、中国、インド、ブラジル南アフリカのグループ、BRICSも6月23日にオンラインで首脳会議を開きました。

 当然ですが、ロシアや中国はG7の動きを警戒しています。3月にロシアを非難する国連総会決議が採択されました。賛成は日米など141カ国、反対はロシアや北朝鮮など5カ国、棄権が中国やインド、ベトナムなど35カ国でした。今は米国が主導する自由主義陣営が、ロシアや中国などの権威主義陣営との間で、決議に棄権した諸国をどれだけ自分の陣営に取り込むことができるか、熾烈(しれつ)な競争を続けているのです。

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