砂漠が見せた中国の軍事力 米空母や自衛隊機の模型は何のため…

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聞き手・牧野愛博
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 南シナ海や台湾周辺での中国の軍事活動が活発になっています。最近は3隻目の空母が進水しました。中国の軍事力はどこまで強化されているのでしょうか。笹川平和財団の小原凡司上席研究員は、タクラマカン砂漠の衛星写真からも多くのことがわかると指摘します。

 ――昨年、中国で大陸間弾道ミサイル(ICBM)の地下サイロが建設されていると話題になりました。

 衛星写真から、西部の甘粛省玉門付近で建設中の約120基のサイロが見つかりました。サイロは約30キロの範囲に展開していました。各サイロに掘られている穴の大きさは直径約16メートルです。ICBMのDF41には核弾頭10発を装着できます。

 中国は従来、米ロに比べて保有する核弾頭の数が少なく、山間部に隠したり、移動発射台に搭載して動かしたりしながら、米国の攻撃の標的になることを避けようとしてきました。

 しかし、地下サイロは、最初から位置を相手に知らせることになります。2021年1月現在、中国の保有核弾頭数は350発と言われています。米国の5550発とは依然開きがありますが、中国が核抑止力に自信をつけてきた証拠だと思います。

 中国は現在も「核の先制不使用」を唱えていますが、「相手から攻撃がある」という判断を早めれば、事実上の先制使用が可能です。中国がどの時点で判断するのかは、わかっていません。

 ――中国が核抑止力で自信を深めた場合、安全保障にどのような影響があるでしょうか。

砂漠に出現した米空母の模型

 中国は核抑止力に自信がなか…

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