「打倒日本一」を掲げる対戦相手 智弁和歌山、挑む姿勢を試される夏

伊藤秀樹
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 昨夏の日本一に輝いた智弁和歌山は、夏の和歌山大会では2020年の独自大会を含めて5年連続で優勝している。この夏、智弁和歌山が連覇を重ねるのか、それともストップをかけるチームが現れるのか。

 6月17日、紀三井寺公園野球場での夏に向けた「割り当て練習」で、初芝橋本のエース川端一正投手は、黙々と投球練習を繰り返していた。「3年生最後の大会。悔いなく終えられるように。長い夏にできるようにがんばります」

 初芝橋本は昨夏の準々決勝で智弁和歌山と対戦し、延長十三回タイブレークの末に2―3で敗れた。昨秋の県大会でも対戦し、1―2で惜敗した。いずれの試合も川端投手が投げていた。「智弁和歌山とはいい勝負はできている。厳しい相手だが、甲子園に行くためには倒さないといけないチーム。互角に戦えるように頑張る」と力を込めた。

 もちろん智弁和歌山と対戦するまで簡単に勝ち進めるとは思っていない。組み合わせ抽選の結果、ブロックが分かれ、対戦できる可能性は準決勝以降だ。卯滝逸夫監督は「県内には智弁さんだけではなく、力のあるチームはいます」という。初戦の相手は、今春の選抜大会で8強入りした市和歌山だ。

 伝統校の箕島は2013年の夏を最後に甲子園から遠ざかっている。昨夏は、初戦で智弁和歌山に敗れた。箕島を率いて3度目の夏を迎える北畑清誠監督は「かつて智弁の高嶋仁さんは尾藤公さん率いる箕島に勝つために頑張った。私もなんとか智弁さんを、という思いだ」と話す。中軸の太佐悠太郎選手は、昨夏の智弁和歌山戦に5番一塁手で出場していた。「試合に出させてもらったが活躍できず負けた。どこが相手でもチーム一丸で勝ちにいく」と強い思いを口にした。

 県勢は和歌山中(現桐蔭)、海草中(現向陽)、箕島、智弁和歌山が全国制覇の経験を持つ。それぞれの時代で、日本一チームに追いつき追い越せと切磋琢磨(せっさたくま)してきた。

 「相手チームからは、赤いユニホームを見たらやってやろうという気迫を感じる」と智弁和歌山の中谷仁監督は言う。そして、今年のチームの歩みは順風満帆ではなかったと振り返る。

 昨秋の県大会で和歌山東に4―5で敗戦。今春の選抜大会出場を逃した。中谷監督は「これが結果だ。残すは夏一本になった。やることを逆算していかないといけない」と選手を諭した。「選手たちは全国優勝で終えた先輩たちを身近で見てきた。こんなはずでは、という気持ちがあると思う」と中谷監督は成長に期待している。

 今春、県大会を制し、近畿大会では大阪桐蔭を破って優勝した。岡西佑弥主将は「和歌山はいい高校ばかりだと思う。智弁は意識されると思うが意識されるからといって受け身にならず立ち向かっていきたい」と挑む姿勢を強調した。(伊藤秀樹)