島根の頂点に立つのはどのチーム? 高野連関係者らが語る

聞き手・野田佑介
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 憧れの甲子園を目指し、39校38チームが出場する第104回全国高校野球選手権島根大会が13日、松江市営野球場で開幕する。この夏、島根の頂点に立つのはどのチームなのか。四つのゾーンの見どころや注目校・選手について、島根県内の高校野球に詳しい4人に語ってもらった。(敬称略)

Aゾーン

 山崎 実力校が集まっていて読みにくい。立正大淞南が軸になると思うが、決して油断はできないだろう。

 井上 注目はやはり立正大淞南だ。中軸には強打の福島脩、谷川が座り、投手も井上、持田、小坂ら4、5人いる。上位に来るだろう。

 山崎 だが昨夏は安来に敗れている。準々決勝で顔を合わせることになれば、リベンジに注目したい。

 井上 安来は打撃が良い。一冬越えて、打線に粘り強さと決定力が出てきた。エース山崎がどれだけ粘れるかだろう。隠岐は全員3年生で11人。今年はOBらが大勢応援に駆けつけると聞く。

 青木 開幕試合を戦う開星と江津・浜田水産の連合チームの一戦は注目度が高い。夏になると勢いの出てくる強豪・開星に、連合チームの佐々木監督が何をしてくるか、采配が楽しみだ。

 井上 松江南にはプロ注目の捕手・忰部(かせべ)がいる。エース福田悠とのバッテリーは経験値があるし、期待できる。

 岡本 確かにチームの雰囲気がすごく良くなった。上位にくる可能性はあると思う。

 山崎 平田と松江西は、ともに育成力のある植田監督と杉田監督の戦いでおもしろい。

 岡本 平田は左の田中のコントロールが抜群で、まとまっている印象だ。捕手の富岡は強肩で、足を使った攻撃を封じてくるだろう。

 青木 明誠も能力のある選手が多く、侮れない。

Bゾーン

 山崎 石見智翠館の有利は変わらないと思う。番狂わせがあるなら松江商との初戦だろう。夏の初戦はどこも緊張感がある。

 井上 松江商の野間は公立有数の本格派右腕。石見智翠館の強力打線にどんな投球をするのか注目だ。

 山崎 石見智翠館は6月にかなり追い込んで練習していると聞いた。それが夏の強さにつながってくるんだろう。

 井上 一塁、遊撃のポジション争いが熾烈(しれつ)になってきて、春よりチーム力が上がってきた。末光監督は夏の仕上げ方にうまさがある。大黒柱の上(かみ)の復調とエース山本へのつなぎ方がポイントになりそう。

 青木 飯南対益田はおもしろい試合になりそうだ。益田は全員1、2年生で潜在能力が高く、上位を狙える力を持つ。左の宮内が好投すれば、飯南打線が苦しむ可能性が十分ある。

 山崎 飯南は上位に来る可能性が十分にある。三上は春の県大会で九回まで急速が落ちなかった。変化球のキレもいい。1回戦では注目のカードだ。

 井上 松江北の山本智、木谷の投手陣にも経験と地力がある。2年生の高野は広角に打てる左打者だ。

 岡本 出雲北陵は雰囲気がいい。女子選手の川上がチームにいい影響を与えている。

Cゾーン

 山崎 一番激戦のゾーンじゃないか。実力校が集まっていて、シードの益田東は強豪との対戦が続く。

 井上 各校のレベルが拮抗(きっこう)していると思う。

 山崎 ただ、益田東は見るたびに良くなっている。夏に向けて調子が上がっている感じがする。

 青木 エース後藤の成長が著しい。球威があり制球も良くなった。スタミナ抜群で試合後半になるにつれて調子が上向く。それに伴い武原、元川を中心とした打線が援護し、小技を織り交ぜた攻撃で得点を挙げる。

 山崎 春の中国大会の鳥取城北戦も良いゲームだった。後藤は投げるたびに良くなる。序盤に大量失点しなければ、勝ち上がるチャンスは十分ある。

 井上 矢上は柘植の投球が鍵を握る。島根中央は野手に力があるので、序盤に主導権を握れるかどうかだ。

 青木 浜田の波田は打撃も良い投手だ。投手陣には近堂、小池と好投手がそろう。

 井上 打者には大会注目の岡に大井もいる。投打に良い選手がそろう印象だ。

 青木 出雲は投球のテンポが良い安藤に注目だ。野手も梶谷謙、今若など力がある選手がいる。

 岡本 大社は選手の能力が抜群だ。投手陣は森山、安松が安定している。

 山崎 総合力があるし、優勝候補の一角と言っていいだろう。

DAゾーン

 岡本 出雲西、三刀屋、大東が軸になるか。どこが出てきてもおかしくない。

 山崎 出雲西は投手力がある。

 青木 高橋、藤原、山本の3投手はそれぞれ完投能力がある。田中、平井は好打者だ。

 岡本 走者をバントできっちり送り、右方向への打撃で走者をかえすチームになった。負けない野球をやっている。

 井上 三刀屋は選手個々の潜在能力が県内でも上位だろう。最速142キロの建部、直球にキレがある河角の投手陣に、槙野、高野、渡部と野手も役者がそろう。夏を前に伸びしろを残している印象がある。

 岡本 大東の攻撃力は抜群だ。公立ではずば抜けている。打線は先頭から中軸まで隙がない。

 山崎 春の中国大会では山口代表の宇部工に完勝だった。選抜出場の広陵(広島)の投手相手でも振り負けていなかった。

 岡本 三刀屋と大東が勝ち上がれば、雲南対決でどちらも負けられないだろう。対戦すれば良い試合になりそうだ。

 青木 出雲工、出雲商もいい。出雲工の小村、岩垣は球威がある好投手。打線も北脇ら好打者がそろう。

 井上 出雲商は打線が良い。古川は県内でも上位の打者。投手の西村はまとまりがある。

 岡本 津和野は昨夏を経験した力のある選手が多い。トレーニングを重ねて体をつくっている。

甲子園で優勝無し 県勢に何が必要?

 ――まだ甲子園で県勢の優勝がない。全国制覇には何が必要か

 青木 まずはコンスタントに中国大会の決勝へ行けるようなチームが出てくることだろう。

 井上 勝ち上がっていくチームは、質を伴った量のある練習をしているように思う。

 山崎 守備や打撃など、何かに特化するというスタイルがあってもいいのでは。監督の色がもっと出てもいいと思う。招待試合や選抜チームの遠征など、他県との交流も増えていけば刺激になるのではないか。

 ――コロナ禍も3年目だが、どんな影響がありそうか

 岡本 十分な練習ができておらず、投手が連日投げられる体力がついていない。無意識に無理をすることもあり、気をつけないといけない。

 井上 公立校は宿泊を伴う遠征ができていない。試合経験だけでなく、食事についての指導者のフォローも十分ではないかもしれない。体づくりがどこまでできているのか気になるところだ。

 山崎 今年は開会式から一般客の入場ができ、2019年以来、ブラスバンドも入る。グラウンドの選手だけでなく、スタンドの吹奏楽部員や観客のみなさんにも十分な熱中症対策をお願いしないといけない。(聞き手・野田佑介)