ロシア軍がウクライナ南東部で攻勢を強めるなか、同国中部の100万都市ドニプロは物資の送り出しや国内避難民の受け入れの「ハブ」の役割を担っている。首都キーウ(キエフ)や西部地域では比較的、市民生活が落ち着きを取り戻しつつあるなか、ドニプロは第一線を支える拠点であり続けている。
「これは止血バンド。こっちにあるのが応急処置のセット。要望があればすぐに前線に届けます」
中心部を流れるドニプロ川近くにあるビルの狭い一室で、ボランティアの男性が段ボール箱に入った医療物資を見せてくれた。廊下には痛み止めや注射器なども山積みになっている。民間の志願兵で組織される「領土防衛軍」などに補給するためだ。
地元のボランティア組織が活動するこのビルは、川沿いにある遊歩道の穏やかな光景とは対照的に、入り口に土囊(どのう)が天井まで積まれ、中からは監視カメラで周囲の様子を警戒していた。約900人のボランティアが活動しているといい、各部屋には食料品や医薬品、兵士がカムフラージュに使う網、防弾チョッキなどが保管されていた。
キーウ、リビウで日常戻る一方・・・
工業都市ドニプロは、激戦が…
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- 【視点】
ウクライナ中部のドニプロという街は、この国をほぼ南北に貫いて流れる大河ドニプロ川のほとりにあり、そこから街の名もついた。以前はドニプロペトロウシクと呼ばれていたが、「ペトロウシク」はロシア革命の活動家だったペトロウシキー氏に由来し、ウクライ