第99回「ここは巨大なハブ」 臨戦態勢のドニプロ、三つの前線に向き合う街

有料記事ウクライナ情勢

ドニプロ=高野裕介
【動画】戦線のハブ 物資、避難民、負傷兵 中南部ドニプロは臨戦態勢=矢木隆晴撮影
[PR]

 ロシア軍がウクライナ南東部で攻勢を強めるなか、同国中部の100万都市ドニプロは物資の送り出しや国内避難民の受け入れの「ハブ」の役割を担っている。首都キーウ(キエフ)や西部地域では比較的、市民生活が落ち着きを取り戻しつつあるなか、ドニプロは第一線を支える拠点であり続けている。

 「これは止血バンド。こっちにあるのが応急処置のセット。要望があればすぐに前線に届けます」

 中心部を流れるドニプロ川近くにあるビルの狭い一室で、ボランティアの男性が段ボール箱に入った医療物資を見せてくれた。廊下には痛み止めや注射器なども山積みになっている。民間の志願兵で組織される「領土防衛軍」などに補給するためだ。

 地元のボランティア組織が活動するこのビルは、川沿いにある遊歩道の穏やかな光景とは対照的に、入り口に土囊(どのう)が天井まで積まれ、中からは監視カメラで周囲の様子を警戒していた。約900人のボランティアが活動しているといい、各部屋には食料品や医薬品、兵士がカムフラージュに使う網、防弾チョッキなどが保管されていた。

キーウ、リビウで日常戻る一方・・・

 工業都市ドニプロは、激戦が…

この記事は有料記事です。残り1173文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません。

  • commentatorHeader
    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2022年7月7日10時31分 投稿
    【視点】

    ウクライナ中部のドニプロという街は、この国をほぼ南北に貫いて流れる大河ドニプロ川のほとりにあり、そこから街の名もついた。以前はドニプロペトロウシクと呼ばれていたが、「ペトロウシク」はロシア革命の活動家だったペトロウシキー氏に由来し、ウクライ

連載ウクライナ危機 市民は今(全150回)

この連載の一覧を見る