追悼ピーター・ブルック 笈田ヨシが演劇巨匠に尋ねた「演出の秘訣」

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構成・井上秀樹

現代演劇の巨匠として知られる英国の演出家ピーター・ブルックさんが2日、97歳で亡くなりました。半世紀以上の親交がある、俳優で演出家の笈田ヨシさんに、ブルックさんとの思い出を語ってもらいました。

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 ピーター・ブルックは、20世紀後半の代表的な演出家の一人でした。政治、経済、社会現象といった表面ではなく、人間の心理、精神、スピリチュアリティー、つまり人間存在の奥底を表現しようとしたんです。

 1968年5月に、「テンペスト」の実験劇をフランス、日本、アメリカ、イギリスの俳優でやることになりました。僕は幸運にも出演者の一人に選ばれて、パリに行ったのが彼との最初の出会いで、それ以来半世紀以上の師弟関係でした。

 彼は、アルメニア出身の思想家グルジェフの思考を20歳ごろから受け継いで、頭脳による思考だけではなく、肉体を通しての感覚によって人間存在の本質を探究し、その思考を演劇というかたちを通して観客と分かち合おうとしました。

 彼と出会った頃は、政治、経…

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