佐々木朗希の降板は理解できる? 高校野球の指導者が抱く複雑な心境

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仙道洸 吉村駿
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 史上初となる2試合連続の完全試合か――。期待は、高まっていた。

 4月17日、プロ野球の千葉ロッテマリーンズ北海道日本ハムファイターズの一戦。千葉ロッテは、前回登板で28年ぶりの完全試合を達成した佐々木朗希(20)がマウンドに立った。

 この日も、八回を終えて0―0。102球を投げて、一人の走者も許さなかった。

 だがここで、井口資仁監督は交代を告げた。「(球数は)100球弱だと思っていた。記録は記録だが、ローテーションをしっかり守るのが大事だ」。試合後、意図を明かした。

 「井口監督の英断を支持したい」「最後まで投げさせれば良かったのに」。インターネットなどでは、様々な意見が飛び交った。

 投げすぎによるケガの防止など、近年は「選手のケア」が話題に上がる。高校野球も例外ではない。

朝日新聞が指導者にアンケートを実施

 指導者たちは、佐々木の交代をどう見たのか。

 朝日新聞は5月から6月にかけて、埼玉、群馬両県の228校(埼玉163校、群馬65校)の指導者にアンケートを実施。「理解できる」「理解できない」「どちらでもない」の3択で尋ね、理由も聞いた。

 「今の指導者には、目の前の結果よりも、選手の将来を考えた采配・指導が求められている。野球組織のトップにあるNPBの監督がそのような采配をしてくれたことは、とても意義のあることだ」。こう答えたのは、深谷商(埼玉)の板坂将吾監督(38)だ。

記事後半では、浦和学院の森大監督に話を聞くとともに、各監督がアンケートに書いた自由記述を掲載しました。また、2006年夏の選手権大会で決勝引き分け再試合を投げ抜くなど、大会通じて948球を投じた斎藤佑樹さんがコメントを寄せてくれました。

 板坂監督は、投手を継投させ…

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    安藤嘉浩
    (朝日新聞スポーツ部記者=高校野球)
    2022年7月8日12時31分 投稿
    【視点】

     興味深いアンケートです。「交代させる覚悟は恐らくない」「一花咲かせてほしいという思いがある」…。指導者の皆さんの苦悩がうかがえます。  群馬県は慶友整形外科病院(館林市)の古島弘三医師を中心に、早くから野球選手の障害予防に関する取り組み

    …続きを読む