銀河鉄道で月や火星へ、人工重力で生活も 京大と鹿島がイメージ発表

鈴木智之
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 京都大学と鹿島は5日、人間が将来的に月や火星で暮らすのに必要な人工重力施設や、地球と行き来するための銀河鉄道のような交通システムなどをつくる構想を示し、共同研究を進めると発表した。ただし、本格的に実現するのは22世紀以降になりそうだという。

 構想の中核となるのは、回転による遠心力を使い、地球の重力と同等の条件を生む人工重力居住施設だ。重力が地球の6分の1の月には「ルナグラス」、同3分の1の火星には、「マーズグラス」を設置することで、低重力による健康への影響を減らせるという。

 施設の中には森林や水辺といった地球の生態系を模した空間をつくることも目指す。大きな施設の実現には100年ほどかかる見込みだが、簡易化したものは2050年までに月面につくりたいという。

 惑星間を移動するための人工重力交通システム「ヘキサトラック」も構想する。新幹線ほどの大きさで各惑星上では地球の鉄道のように走る。各惑星を周回する衛星などにつくる拠点駅に向けてはリニアモーターやロケットエンジンを利用して進む。拠点駅で1両ずつ切り離され、拠点間は六角形のカプセルに収容されて、宇宙放射線の影響を防いで輸送されるという。

 山敷庸亮・京大SIC有人宇宙学研究センター長は「他の国の開発計画になく、今後の人類の宇宙移住の実現を確実にする上でなくてはならない核心技術だ」。鹿島の上席研究員でもある大野琢也・同センター特任准教授は「子どものころ直感した低重力の問題点が、宇宙生活が現実味を帯びてきた現在、まさに問題視され始めている。人類に有意義なものとなるよう取り組む」とコメントしている。(鈴木智之)