ウクライナ侵攻どう見る 日本の防衛は 宇都宮大生に聞く

ウクライナ情勢

中野渉
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 【栃木】参院選では、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて日本の防衛のあり方が争点の一つとなっている。若者は今回の事態をどう受け止め、何を考えたのか。この春、有志でオンライン学習会を開いた宇都宮大学国際学部の学生5人に聞いた。

 いずれも清水奈名子准教授(国際関係論)のゼミに所属する4年生。学習会では自分たちを含めた学生15人と清水准教授ら複数の教員が、「軍事拡大や核共有をめぐる議論にどう向き合うか」「正しい情報をどう見極めるか」「募金など自分たちにできることは何か」などについて、疑問や意見を交わした。

 新井玲美さん(22)は「ロシアが侵攻した背景などに関心があった」。井深花菜さん(21)は、戦争がウクライナの人たちに及ぼしている影響に関心があったが、学習会で「世の中は合理的ではない。予想できないロシアの考え方にも対応しないといけない」と教員に言われたことが印象に残ったという。

 中心となって企画を考えた水沢麻紀さん(21)は、ゼミ生同士でウクライナ情勢について話したところ盛り上がったため、他の学生も巻き込んで会を開くことにしたという。同じ意見に共感したり、多様な考え方に触れられたりして有意義な時間だったと振り返る。

 作成中の卒業論文では、国連がどう平和に関与できるかを扱っている。戦争を止められず「不要論」も出ているが、今でも影響力を持っていると考えている。「日本が防衛力を強めるかどうか、議論は大事だが勢いで決めるのは危うい」

 武田逸輝さん(21)は、学習会で「核共有の危険性について知ることができた」という。「ただ、どうすべきかは悩んでいる。戦争は長期化するかもしれないが関心を持ち続けたい」

 渡辺舞さん(21)は、周囲ではツイッターなどのSNSで戦争をめぐる情報を得ている人が多いことを心配している。偽情報も多いと感じていて「できる限り双方の情報を得て冷静に判断したい」と話す。

 清水准教授によれば、学生のウクライナ情勢への関心は高い。「文字よりオンラインで流れてくる映像から情報を得ることに親しんでいる世代。現地の人々が逃げ惑う映像を連日見た衝撃は大きかったと思う」

 ただ、自国の軍備増強には慎重な見方をしている人が多いのではないかとみる。今の学生は日本が好景気だった時代を経験したことがなく「人口が減り国の借金が増えている日本が、軍事力で他国に対抗できるという発想からは距離を置いている印象」という。中野渉