海自呉地方総監 防衛費増額に「無条件で喜ぶ気持ちにはならない」
自民党など一部の政党が、防衛力の抜本的な強化に向けて対GDP(国内総生産)比2%以上を念頭に防衛費の増額を提言していることに関し、海上自衛隊呉地方総監部(広島県呉市)の伊藤弘総監は4日の記者会見で、「もろ手を上げて無条件に喜べるかというと、私個人としては、まったくそういう気持ちにはならない」と述べた。
現在の防衛費は年間約5兆円で、対GDP比約1%。2%に引き上げるには、新たに約5兆円の財源が必要になる。
対GDP比2%への増額の評価を問われ、伊藤氏は「一国民としての感想」として、「社会保障費にお金が必要である傾向にまったく歯止めがかかっていない。どこの省庁も予算をほしがっているなかにあって、(防衛費が)特別扱いを受けられるほど日本の経済状態は良くなっているんだろうか」と述べた。
伊藤氏は続けて、「大事なの…
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- 【解説】
海自呉地方総監部の伊藤総監の発言は、「防衛費」にまつわる現在の問題を実によく描いている。「一国民としての感想」と断りながら、「財源」の問題について、防衛費倍増が「日本の経済状態」に見合ったものなのかと疑問を呈し、どのような装備が具体的に必