海水浴場で起こる危険な離岸流、福島海保がドローン使って撮影に成功

西堀岳路
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 砂浜で泳ぐ海水浴客を沖へ押し流すことがある離岸流。海開きシーズンを前に福島海上保安部福島県いわき市)は6月29日、幅約3メートルで長さ70~80メートルの離岸流の撮影に成功した。危険性を広く知らせようと、海水浴場で着色剤を流し、陸からはわかりにくい離岸流の動きを捉えた。この動画は同保安部のホームページに掲載する予定だ。

 同保安部担当の県内海岸では、離岸流が原因とみられる水難救助が2018年以降3件あったという。

 この日は市内の薄磯海水浴場で、海上保安官2人が海へ入り、それぞれ波打ち際から約50メートル、互いに100メートル離れた海面に着色剤を流した。黄緑色に染まった海面の動きをドローンで空撮すると、最初は浜に沿って横に広がっていたが、5分ほどたつと沖に向かって伸び始めた。

 撮影作業を監修した海岸工学が専門で水難学会理事の犬飼直之・長岡技術科学大准教授によると、幅約3メートルで長さ70~80メートル、流速は毎秒20センチほどの離岸流を捉えるのに成功したという。

 犬飼准教授は「太平洋岸で大小の波が常にある県内の砂浜では、離岸流はいつも起きている。波の高さによってごく弱まったり、強くなったり、発生場所が変化しているだけ」と警鐘を鳴らす。海水浴場でも、波高が50センチになれば長さ100メートルほど、流速毎秒30~40センチの離岸流になるという。

 同保安部の佐藤正哉・交通課長は「離岸流に巻き込まれても、あわてず浜に沿って泳げば離脱できる。必ず開設中の海水浴場で、監視員の目が届くところで泳ぐことが大切」と訴えた。

 いわき市は、コロナの影響で2年続けて開設を休止した薄磯など海水浴場4カ所を今月16日、3年ぶりに開く。楢葉町でも、津波で破壊された岩沢海水浴場が避難指示の解除後に着工した復旧工事を終え、16日に12年ぶりに開設される。(西堀岳路)