「大阪の正義」に反しても譲れなかったもの 行き着いた究極のカレー

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編集委員・中島隆
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 大阪の商売の正義を「ええもんを安く」とするならば、このレトルトカレーは正義に反するかもしれません。大阪市のとある洋食屋の社長は決断しました。最高の原材料で、最高の味にしようと。そして原材料を提供する人たちのコストをしっかり価格に反映しようと。その結果、税込み1620円のレトルトカレーとなりました。でもね、これでも勉強したんです。

 創業から半世紀になる大阪市福島区のレストラン「洋食ヨコオ本店」。テーブルとカウンターで計16席。人気はビフカツ、オムレツ、ハンバーグ、そしてカレー。伝統を守りつつ、独創的な工夫をこらしたメニューに定評がある。

 ここの2代目社長の横尾淳さん(51)は料理人歴33年。町の洋食屋が生き残る道を考えていた。

 そもそも取り巻く環境は厳しい。全国チェーンのレストランがあるし、スーパーやコンビニにハンバーグやカレーが並ぶ。

 労働環境も、厳しい。ハードな仕事だが、コストの価格転嫁は満足にできず、賃金は高くない。だから人材難になりがちだ。

 この厳しさにコロナ禍が輪をかけ、町から洋食屋が次々に消えている。

 横尾さんは、店の味を家庭に届けて売り上げをつくろうと、レトルトカレーの開発をはじめた。市販のものを50種ほど食べ、いくらなら売れそうかをマーケティング。昨年11月、「ビーフたっぷりごちそうカレー」と銘打ち、税込み790円で売り出した。

 好評だった。でも……。

 横尾さんの心は、不完全燃焼…

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