西海学園の元監督「楽しく、そして厳しく」 21年間で指導法に変化

三沢敦
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 高校野球の発展と選手の育成に尽くした指導者を日本高校野球連盟と朝日新聞社が表彰する「育成功労賞」に、長崎県内からは西海学園(佐世保市)の元監督、山上純一さん(61)が選ばれた。7日、県営野球場である第104回全国高校野球選手権長崎大会の開会式後に表彰される。

 現役時代は捕手一筋。長崎日大を経て八幡大(現九州国際大)に進み、九州六大学で活躍した。卒業後は西濃運輸に入社。29歳の夏に引退するまで社会人野球でプレーした。

 「監督を引き受けてもらえないか」と友人に頼まれ、西海学園の面談を受けたのは1999年の春。親の面倒をみるため実家の時津町に戻って2年が経つ頃だった。事務員に採用され、指導者の道を歩み始めた。

 当初の部員は13人。自分とのレベルの差に「こんなこともできないのか」と戸惑った。寮生活を送る彼らと寝食を共にしながら、厳しい練習を課していった。

 だが指導法は時代に合わせて変えてきた。我慢強い子は少なくなった。褒めて伸ばす。練習量を減らして実戦を増やす。厳しさ一辺倒ではなく、楽しみながら上達できるスタイルを模索した。

 少子化の波が押し寄せ、部員集めも苦労した。5人しか集まらず、新1年生が加入するまでの半年間、試合ができないこともあった。少ない人数で上位進出を果たしたメンバーの顔は今も忘れることがない。

 21年の監督生活で最高成績は春の県大会での準優勝。夏はベスト8止まりで、甲子園出場はついに果たせなかった。

 楽しいだけでは技術は向上しない。厳しい試練をみんなで乗り越えたその先に甲子園はあるはずだ。

 コロナ禍を乗り越え、夢舞台に向かって汗を流す球児たちにこんな言葉を贈りたい。

 「楽しく、そして厳しく」――。(三沢敦)